7/29より上映開始となります 『あたらしい野生の地−リワイルディング』🐕

 

今作は今までのネイチャードキュメンタリー映画とは一味違ったドキュメンタリーとなっています。地球再生へのヒントが隠された作品となっています。

 

 

 

 

 

 

『あたらしい野生の地ーリワイルディング』とは?〜〜

 

 

どこまでも続く美しい平野に何万匹もの白馬たち――ここは、映画『あたらしい野生の地ーリワイルディング』の舞台となった「オーストファーデルスプラッセン」。オランダの首都アムステルダムからわずか50kmに位置する海沿いの自然保護区です。

東京から50km離れた場所というと、千葉県船橋市、神奈川県横浜市あたり、6000ヘクタールという広さは東京の大田区とほぼ同じです。そうした場所に、深い森と青々とした草原、いのち豊かな湿地が広がり、野生の馬や鹿が走り、きつねが遊び、たくさんの鳥たちが飛びまわる自然の王国がある。都市部近郊にこんなにも雄大で命の宝庫のような自然が広がっている場所は、世界的にも稀だといえるでしょう。

映画『あたらしい野生の地ーリワイルディング』は、この奇跡といえる土地で、生を謳歌し死と対峙する生き物たちの一年を、美しい映像で綴ったドキュメンタリー映画です。いわゆるネイチャードキュメンタリーに属する映画ですが、これまでとは大きく異なった点があります。

 

 

 

 

 

<この映画が、今までのネイチャードキュメンタリーと大きく異なるポイント3つ>

 

 

 

 

①舞台となる自然の楽園は、もともと人間が使おうとして埋め立てられ、そして人間の都合によって捨てられ、忘れられた場所だった。

 

 

オランダは国土の約30%が海面より低く、20%以上は13世紀以降の干拓(海の一部を堤防でかこって中の水をくみだす)事業によりつくられた人工的な土地です。この自然の楽園も同様に、1968年に行われた干拓事業によってつくられました。しかし、事業が経済的に破綻をきたして放置され、人が介入することなく10年が過ぎたといいます。沼はやがて水草で覆われ湿地帯へと変化、 おびただしい野鳥が集まってきました。さらに鳥たちが整えた水際にキツネなど他の小動物もやってきました。

生き物たちが紡ぐ見えない相関図。人間が手をひいたとき、土地はどのようにみずからを回復してゆくのか。ここで起きている営みはすべて、奇跡的で壮大な実験なのです。

 

 

 

 

 

 

②野生で絶滅した動物がふたたび自然にかえり、いきいきと暮らしている様子が描かれている。

この土地でもっとも人目を引くのは、美しいたてがみをゆらして草原を駆け抜ける馬の群れ。ヨーロッパ原生種の馬にもっとも近いといわれるポーランドのコニックがリワイルディング(野生の再生)の試みとして放たれると、馬たちはこの土地に適応し、人間の介入の外で順調に数を増やしていきました。今では2000頭を優に越える頭数が確認されています。同時期に放たれたアカシカも繁殖に成功。また鳥類では、17世紀以来ヨーロッパ大陸では目撃されたことがなかったオオワシが、おそらくスカンジナビア半島から飛来して姿を見せています。

 

 

 

 

 

 

 

③小さな土地で生態系がみずからを復元し、循環させていくプロセスを学べる。まるで動く生きもの図鑑!

この自然保護区はゲートで囲まれており、90パーセントはレンジャーだけが入れる非公開区域です。本作は600日にもわたる撮影を敢行し、普段は見ることができない生きもの達の姿を捉えます。

限られた土地の中で植生がどう移り変わってゆくのか、どこにどんな動物が戻り、他の動植物たちとの関係をつくっていったのか。湿原にはコケ類が、草原には一年生の草本が、そして森林には多年生の草木がはえ、土の性質を変えていく。水辺にはまず魚、両生類が戻り、鳥類が呼び寄せられ、それを狙ったキツネがやってくる。草原では馬やアカシカが子どもを育てる。こうした生態系復元のプロセスや自然のサイクルを美しい映像を通して学ぶことができます。

それはまるで動く生きもの図鑑のよう。この映画は、動物好きなお子さんと一緒に楽しめる映画です。

 

 

 

 

 

なぜ「リワイルディング(再野生化)」が地球再生への希望になるのか?

日本ではまだ馴染みのない言葉ですが、いま世界中で注目を浴びているのが「リワイルディング(再野生化)」という取り組みです。簡単にいうと、ある土地の失われた生態系を復元する試みのすべて。たとえば野生では絶滅した動物種を、ふたたびその土地に導入するといった例を含みます。ある土地から手を引き見守るといった人間の行為と自然の復元力に立つ新たな生態系の構築こそ、現代に希望をもたらす新しい「野生」なのです。

この映画の舞台となった自然保護区だけではなく、同じくオランダやポーランドでヨーロッパバイソンの再野生化が、アメリカのイエローストーン国立公園でオオカミの再野生化が成功したと報告されています。

人と自然の関係性を考えるきっかけに

世界人口の半分以上が都市に居住するようになった現代、人間社会は自然との関係を悪化させてゆくばかりです。産業革命後の人間社会は、ほとんどの場合、自然を敵対し克服すべき相手だと考え支配しようと、多くの生物種を絶滅させ、その反面では無謀な計画により、しばしば手痛い失敗をくりかえしてきました。

たとえば自然の海岸線を破壊する過剰な護岸工事や、森林の保水力を台無しにする植林、地下水系を考慮しない都市計画など、生態系に大きな影響をおよぼす事業が、長期的展望を欠いたままおこなわれてきました。もっともこの映画を見ればわかるとおり、その方向性を転換する動きも、一部では見られるようになりました。

それでも依然として私たちにもっとも欠けているのは、自然のプロセスに対する知識。人間が「手を引いた」とき、大地はどのようにみずからを回復してゆくのか。植物はどう移り変わり、動物たちはどう生きてゆくのか。リワイルディング(再野生化)のプロセスが、この映画には克明に映し出されます。

この奇跡の土地が、自分たちの日々の居住空間から遠くないところにあること。映画『あたらしい野生の地ーリワイルディング』は、そうした土地の豊かさを映し出すことを通して、人間社会の意味を私たちに問いかけます。そして自然と敵対するのではなく広大な自然の一部として、あくまでも持続可能なかたちで続けられる社会の未来を想像させるでしょう。

まるごとの「いのち」の尊重を中心におく生き方。それを考えること自体が希望であり、未来へのヒントになると思います。

◎この映画をお届けする「チームRewilding」主なメンバー

管啓次郎(詩人、翻訳家。明治大学理工学部教授)

 

Profile:
1958年生まれ。詩人、翻訳家。明治大学理工学部教授。主な著書に『斜線の旅』(読売文学賞受賞)、『オムニフォン<世界の響き>の詩学』、『ストレンジオグラフィ』、詩集『Agend’Ars』4部作、訳書にル・クレジオ『ラガ』、サン=テグジュペリ『星の王子さま』、エイミー・ベンダー『レモンケーキの独特なさびしさ』などがある。

 

 

 

 

赤阪友昭(写真家)

 

Profile:
1963年大阪生まれ。写真家。雑誌「Switch」や「Coyote」などに写真・文を寄稿。北米海岸の先住民族と過ごした時間を一冊にまとめた写真集『The Myth – 神話の風景から – 』がある。現在は、山に残された原初の信仰や縄文文化の祭祀儀礼を取材し、定期的に東京及び各地にてスライド&トークなど精力的に講演を開催している。震災後は、福島の支援プロジェクトに関わり、被災地のランドスケープの記録撮影を続けている。

 

 

 

 

 

古木洋平(映像作家

 

Profile:1981年鹿児島生まれ。映像作家。
大阪芸術大学写真科中退後、写真の制作活動と平行して映像表現を学ぶ。モンゴルの伝統音楽ホーミーを題材にしたドキュメンタリードラマ、映画『チャンドマニ』(2009年公開)、マダガスカルの4人のギターリストがルーツを巡るロードムービー、映画『ギターマダガスカル』(2015年公開)の撮影監督を努める。また、写真家の国内外での制作過程を追ったドキュメンタリーや、音楽ライブの記録やミュージックビデオの制作をしている。2016年、福島県南相馬市との共同製作で短編『水の記憶 土の記憶』を監督。

 

 

 

 

松下加奈(映画配給レーベル メジロフィルムズ)

 

Profile:
フェアトレードのアパレルブランドピープル・ツリーを経て、映画配給会社アップリンクで映画の宣伝プロデューサーを6年間勤めたあと独立。現在は、映画配給レーベル・メジロフィルムズで活動中。配給第一作目は2015年公開の『A Film About Coffee』。

 

映画で描かれる生きものたちの営みと地球の風景は、日常生活の中で忘れがちな、「世界は美しい」ということを思い出させてくれます

 

 

 

 

映画の中で描かれる生と死のドラマ、展開される壮大な地球の時間、たくさんの動植物たちが織りなす風景に美しさを感じる時間は、その一部である自分のあり方を見つめ直す時間であり、私たちの過去・現在・未来を考える時間でもあります。リワイルディング(再野生化)には、私たちがどのような未来を選択していけばよいのか、そのヒントが隠されていると思います。ぜひ多くの人に観てもらいたい作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.11以降、日本には人為的事故によって踏み入ることができない土地が生まれました。福島という土地、あるいは放射能汚染によってこれから拡大するかもしれない土地、その他にも過疎の進行によって人が手放さなければいけない土地、こうした土地とどう向き合うのか。自然の復元にゆだねること、それは、限界ではなくもしかしたらわたしたちの希望となるのではないでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

また、本作『あたらしい野性地 リワイルディング』の公開に伴い7/29.30と今作で字幕担当をされた管啓次郎さんのトークイヴェントを開催致します◉

 

リワイルディングとは一体何なのか? 今作に込められた思いとは何か 直接ご本人からお聞きする機会ですし、今作をより深く理解することのできるトークイヴェントとなります!

 

▶︎上映スケジュールはこちら

上映スケジュール

 

 

 

 

 

 

 

 

また8/5には今作と連動したトークイヴェント◆身近なリワイルディング「コウノトリ野生復帰」と題し身近で普段、詳しく聞く機会がない{コウノトリ}事情をお聞きします!実際のところどうなの?? どんなことしてるの?? 色々な事情を聞くことができます⭕️ ぜひご参加お待ちしておりますー!

 

 

 

 

▷コウノトリ野生復帰に触れてみよう!詳細

トークイベント『コウノトリ野生復帰に触れよう!』

 

※どちらのイベントも当日券のみの販売となります。

 

 

 

▶︎上映スケジュールはこちら
http://toyogeki.jp/schedule/

7/28 キタ