10/14から『ロスト・イン・パリ』という夏のパリを舞台にしたポップでほんわかするようなコメディムービーが上映開始となります。人生は美しい。そんなことを感じた作品です。どうぞご覧ください^^

 


©Courage mon amour-Moteur s’il vous plaît-CG Cinéma

 

 

 

 

〜〜あらすじ〜〜

司書として働くフィオナは、カナダの小さな村で代わり映えのない毎日を過ごしていた。ある日、パリ在住のおばマーサ(エマニュエル・リヴァ)から助けてほしいという内容の手紙が届き、気の小さい彼女は自身を鼓舞して小さな村からパリに向かう事を決意する。フィオナは、無事パリに到着したもののマーサの姿はなく、セーヌ川に落ちて所持品をなくしてしまい……。とドタバタで前途多難なマーサ探しの旅。はたして彼女は無事マーサおばさんに会う事ができるのでしょうか、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みどころ①実際の道化師夫婦が表現する動きの可笑しみ

主人公フィオナ役、謎の男ドム役を実際のベルギーの道化師(パントマイマー)夫婦であるドミニク・アベルとフィオナ・ゴードンがそれぞれ演じ(なんと御年60歳‼︎)しかも製作、監督、脚本も務めるという徹底ぶり。彼らは以前に<ルンバ!><アイスバーグ!>という作品も世に送り出しているが、そのどれもが身体的表現に特化した作品となっている。あわよくば前衛的になってしまいそうであるが、そこにうまくポップなエッセンスをちりばめることで小難しさを回避し子供からお年寄りまでだれもが楽しめる作品へと昇華させている。2017年1月に89歳で亡くなったフランスの名優エマニュエル・リバが、おばマーサ役でコメディエンヌぶりを披露している。

 

 

©Courage mon amour-Moteur s’il vous plaît-CG Cinéma

 

 

 

 >

 

 

 

 

 

みどころ②日本人にはない色彩感覚、ファッション性

冒頭からすでにたのしい。出てくるキャラクターがいちいちおしゃれで可愛いらしいファッションに身を包んでいるのも大きなみどころ。写真やデザインなんかをしている人にはど真ん中ストレートに楽しめるだろう。どっかの広告のようにどこを切っても画になる場面の数々が作品に彩りを与えます。

 

 

©Courage mon amour-Moteur s’il vous plaît-CG Cinéma

>

みどころ③可笑しさのなかにもホロっとくるようなドラマ性

アートやポップさに特化してるだけではない本作。じつは多くの人達に当てはまるような生きていく上での経験、出会いや恋愛、失敗や別れなどを描いている。フィオナが住む”小さな村”から”大都市”パリへ飛び出していくときの覚悟や不安、すこしの期待などは学生から社会人として家もとを離れるときの気持ちに通ずる部分があるだろうし、そこで失敗や不安を繰り返しフィオナが成長していく様などは多くの人に元気を与えることと思う。

 >

 

 

みどころ④音楽の選曲センスが冴えている

「エル・チョクロ」など、アルゼンチン・タンゴの多くの名曲を作ったアンヘル・ビジョルドが作曲、ファン・ダリエンソ楽団の演奏する「エル・エスキナーソ」(街角)が、ホームレスのドムが登場するシーンで使われる。直訳は「街角」だが、スラングでは、「おいてきぼり」、「肘鉄砲」といった意味があるらしい。ドラマの展開を暗示する抜群の選曲と言える。また、ショスタコーヴィチの「ジャズ組曲第1番」から、「フォックストロット」と「ワルツ」。さらに、ガトー・バルビエリの作曲、ゴタン・プロジェクトの演奏になる「ラスト・タンゴ・イン・パリ」などが、さりげなく流れる。ラスト近くに、エリック・サティの「ジムノペディ」も。選曲の妙。うまいなあ、と唸ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜まとめ〜〜

前作<ルンバ!><アイスバーグ!>はアートに特化した作品であり、”一般受け”という点では正直難しかったように思う。しかし本作ロスト・イン・パリは以前のようにアート性は残しつつ、且つしっかりとしたドラマ性がうまく絡み、誰もが楽しめる大衆性を獲得している。小難しい言い回しなど一切なくパントマイムという”動き””見せ方”で物語を紡いでいくことでたとえ言葉が解らなくても笑えてホロっとできる。古きよきコメディ映画を現代にアップデイトしたような本作は、これぞ21世紀の喜劇映画と言える💃

 

©Courage mon amour-Moteur s’il vous plaît-CG Cinéma