上映期間|11月1日(金)〜11月27日(水)の内6回上映
【INTRODUCTION】
写真家ナン・ゴールディン、彼女はなぜ戦わなければならなかったのか 未来を生きるために、今我々が知るべき彼女の人生がここに記されている
1970 年代から 80 年代のドラッグカルチャー、ゲイサブカルチャー、ポストパンク/ニューウェーブシーン ……当時過激とも言われた題材を撮影、その才能を高く評価され一躍時代の寵児となった写真家ナン・ ゴールディン。2023 年には、イギリスの現代美術雑誌 ArtReview が発表するアート界で最も影響力のあ る人物の1位に選出されるなど今日に至るまで世界にインパクトを与え続けている。
2018 年 3 月 10 日のその日、ゴールディンは多くの仲間たちと共にニューヨークのメトロポリタン美術館 を訪れていた。自身の作品の展示が行われるからでも、同館の展示作品を鑑賞しにやってきたわけでも ない。目的の場所は「サックラー・ウィング」。製薬会社を営む大富豪が多額の寄付をしたことでその名を 冠された展示スペースだ。到着した彼女たちは、ほどなくして「オキシコンチン」という鎮痛剤のラベルが 貼られた薬品の容器を一斉に放り始めた。「サックラー家は人殺しの一族だ!」と口々に声を上げながら ……。「オキシコンチン」それは「オピオイド鎮痛薬」の一種であり、全米で 50 万人以上が死亡する原因 になったとされる<合法的な麻薬>だ。果たして彼女はなぜ、巨大な資本を相手に声を上げ戦うことを 決意したのか。大切な人たちとの出会いと別れ、アーティストである前に一人の人間としてゴールディン が歩んできた道のりが今明かされる。
<オピオイド危機とは?>
オピオイドとは、ケシから抽出した成分やその化合物から生成された医療用鎮痛剤(医療用麻薬)で、優れた鎮痛効果のほか多幸感や抗不安作用を もたらす。1995 年、米国では製薬会社パーデュー・ファーマがオピオイド系処方鎮痛剤「オキシコンチン」の承認を受け、常習性が低く安全と謳って積 極的に販売。主に疼痛治療に大量に処方されるようになり、2000 年頃から依存症や過剰摂取による中毒死が急増。全米で過去 20 年間に 50 万人以 上が死亡し、大きな社会問題となっている。
作品情報 | 監督・製作:ローラ・ポイトラス『シチズンフォー スノーデンの暴露』 出演・写真&スライドショー・製作:ナン・ゴールディン 2022 年/アメリカ/英語/121 分/16:9/5.1ch/字幕翻訳:北村広子 原題:ALL THE BEAUTY AND THE BLOODSHED/R15+/配給:クロックワークス |
公式サイト | https://klockworx-v.com/atbatb/ |