営業再開にあたって

この度、本当に多くの皆様のご支援によって、営業再開に踏み出すことができました。2023年3月25日(土)に、休館していた豊岡劇場は営業を再開いたします。私たちの「二度閉館(休館)を経験した豊岡劇場の再生」に向かってのチャレンジに、期待して、応援してくださった皆様に、心より御礼申し上げます。

今回、クラウドファンディングではなく、豊劇サポーターを募集するという形にした理由はふたつあります。ひとつは、1人でも多くの方と直接顔を合わせてお話がしたかったということ。お金を集める速さを重視するのではなく、これからの豊岡劇場へ期待して、また豊岡劇場に関わってみようと思ってくださる方々と、1人でも多く顔を合わせてお礼を伝え心を通わせたかったという、私のわがままにも近いこだわりでした。

ふたつめに、私たち「主婦と学生」というどこにもバックアップを持たない2人が、映画館をこの先も安定して運営していく必要があること。そのためには、サポーターの皆様の会費や、チケット収入が大きな支えとなります。皆様の継続したサポート会員へのご入会をどうぞお願いいたします。

この7ヶ月(5月の「豊岡劇場の未来を考える会」からだと9ヶ月ですね)、豊岡劇場の「これまで」を多くの方とたくさん話してきました。1927年(昭和2年)これまで95年間の長きに渡って、豊岡劇場が紡いできたストーリーはかけがえのない大切なもので、多くの人たちの想いでここまでバトンを繋いでくださいました。私も「豊劇ストーリープロジェクト」を通して、放っておいたら失われていくその物語や記憶を記録することで、次世代に繋いでいきたいと思っていますが、「これまで」の豊劇について語るのはひとまず、ここまでにしようと思います。今日からは豊岡劇場の「これから」を、描いていきたい。関わってくださるみなさんと、映画館”豊岡劇場”の価値の再定義を行なっていきたい。これから、どんなことを豊岡劇場でできるか、一緒にワクワクしたい。そう思っています。

1年目のスローガンは「みんなでつくる、みんなの豊劇」です。これからどんなことが行われるか、どうか興味を持ってください。“豊劇をつくる” その過程の目撃者にぜひなってください。もう少し気になったら参加をしてみてください。そして、人生にちょっと余裕があるときは、U18みらいチケットで次の世代にペイ・フォワードしてみてください。そして思いやりが循環するまちづくりに参加したと、心にあたたかなものをぜひ感じてください。

私は豊劇がみなさんの日常の延長線上にあり、普段の暮らしの中にささやかな彩りを添える存在であってほしいと思っております。豊岡コミュニティシネマのビジョンは「すべての人の日常に寄り添い、支えあい楽しみ合う地域へ」です。毎日繰り返される日常の中でふと立ち止まったとき、仕事がうまくいかなくて辛いとき、好きな人をドキドキしながら誘ってデートしたいとき、育児や介護でくたくたになったとき、何だか学校がつまらないなと思ったとき、予定と予定の合間にちょっと時間ができたとき、ぜひいらしてください。

豊岡劇場で、お待ちしております。

豊岡コミュニティシネマ 代表 田中亜衣子
2023年2月17日