ハロルド・フライのまさかの旅立ち【字幕】

上映期間|8月23日(金)〜9月4日(水) 


【INTRODUCTION】
イギリスNo.1の大ヒット!
本屋大賞第2位の傑作小説をアカデミー賞🄬受賞俳優で映画化

 本国イギリスで新作映画初登場No.1の大ヒットを記録した必見の一本。原作は、世界37か国で刊行され、累計発行部数600万部を誇るベストセラー小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」(講談社文庫)。英国文学界の最高峰の賞であるマン・ブッカー賞にノミネートされ、日本でも2014年の本屋大賞翻訳小説部門第2位に輝いた傑作だ。世界中で数多くのファンを獲得した主人公ハロルドを演じるのは、イギリスを代表するアカデミー賞®俳優、ジム・ブロードベント、その妻役には「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンと、半世紀を超えるキャリアを誇るベテラン俳優による名演技が光る。イギリスの南西から最北端まで、800キロに及ぶ息を吞むような美しい風景が贅沢にスクリーンに広がる、新たな感動の物語。

『どうしても伝えたいことがある。』
手紙を出す代わりに、彼は手ぶらで歩き始める──
まさかの一歩が人生を変える、驚きと涙の感動作!

定年退職し、妻のモーリーンと平凡な生活を送るハロルド・フライ。ある日、北の果てから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。ハロルドは返事を出そうと家を出るが、途中で心を変える。彼にはクイーニーにどうしても会って伝えたい“ある想い”があった。ホスピスに電話をかけたハロルドは「私が歩く限りは、生き続けてくれ」と伝言し、手ぶらのまま歩き始める。歩き続けることに、クイーニーの命を救う願いをかけるハロルド。目的地までは800キロ。彼の無謀な試みはやがて大きな話題となり、イギリス中に応援される縦断の旅になるが──!?

英国の才能が豪華集結!
共に歩くようにイギリスを堪能する、新たな傑作ロードムービー

主人公のハロルド・フライを演じるのは、『アイリス』でアカデミー賞🄬とゴールデン・グローブ賞を受賞し、近年では『ゴヤの名画と優しい泥棒』で高く評価されたジム・ブロードベント。原作本のオーディオブックのナレーションも務め、ハロルドというキャラクターへの深い愛情を演技に注ぎ込んだ。夫の行動によって自身も変化していく妻のモーリーンには、大ヒットTVシリーズ「ダウントン・アビー」で広く知られ、大英帝国勲章を受章したペネロープ・ウィルトン。さらに、余命わずかのクイーニーには、『めぐりあう時間たち』のリンダ・バセットと、イギリスを代表する名優たちが愛すべきキャラクターに魂を吹き込んだ。また、世界中で熱狂的な人気を博す才能あふれるミュージシャン、ニック・ケイヴの息子で、ハイブランドのモデルも務めるアール・ケイヴが、ハロルドの息子デイヴィッド役で出演している。

 監督は「White Girl」で英国アカデミー賞テレビ部門を受賞、ドラマ版「ハワーズ・エンド」で同賞にノミネートされたヘティ・マクドナルド。脚本は原作者である小説家レイチェル・ジョイス自身が手掛けた。広大な風景だけでなく朝露が光る葉っぱ、揺れる木漏れ日など、自然の生命力を切り取るようなショットでイギリスの大自然を捉えたのは、ケイト・マッカラ。アカデミー賞®国際長編映画賞にノミネートされた『コット、はじまりの夏』でアイリッシュ映画&テレビアカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した。

旅の感動をさらに際立たせるのは、壮大な丘陵地とその先に高く広がる空、神聖な空気に包まれた大聖堂やレンガ造りの建物が並ぶイギリスらしい街並み。ハロルドを優しく包み込むように広がる圧巻の景色は観客の心を癒し、ハロルドの見る世界へと誘ってくれる。まるでイギリス縦断の道のりを一緒に歩いているような感覚に浸れるロードムービーが誕生した。

諦めていた人生を取り戻すため、そして大切な人の命を救うために、片足をもう一方の前に置くことをひたすら続けるハロルド。道中の様々な事情を抱えた人々との出会いと別れ、そして初めて自分自身と向き合うことで、ハロルドは変わっていく。心に秘めた“ある想い”を伝えるため、歩き続けた先に待つクライマックスとは―?誰かのために一歩を踏み出すことで、人生がもたらす哀しみ、驚き、喜び、そして愛を再発見する感動作!

【STORY】

 ビール工場を定年退職し、イギリスの郊外で静かな引退生活を送っていたハロルド・フライ(ジム・ブロードベント)のもとに、ある日北の果てから1通の手紙が届く。かつて一緒に働いていたクイーニー(リンダ・バセット)からの、病のために余命わずかだと綴られた“お別れの手紙”だ。ハロルドは返事をどう書こうかと妻のモーリーン(ペネロープ・ウィントン)に問いかけるが、随分前から夫婦の関係は冷え切っていて、「思ったことを書けばいいの」と素っ気なくあしらわれてしまう。

 結局、「どうかお大事に」と書いた手紙を手に、近くのポストまで歩いて行ったハロルドだが、どうも投函する気持ちになれない。郵便局から出そうと、ガソリンスタンドの売店に立ち寄ったハロルドは、店員の女性に何とはなしに友達がガンだと口にする。すると彼女は“信じる心”で伯母のガンがよくなったと、自らの体験を話すのだった。

 その言葉に心を動かされたハロルドはすぐさまホスピスに電話をかけ、クイーニーに「今から歩いて会いに行くから、それまで生きていてくれ」と伝言を頼む。ハロルドが今いる場所はイギリスのデボン州サウス・ハムズ、ホスピスまでは800キロの道のりだ。ハロルドは手ぶらで普段着、革靴のまま北に向かって歩き始める。

 陽が落ちてから、ハロルドは「クイーニーを救いに行く」とモーリーンに電話をかけるが、「ガン患者を救えるのは医者だけよ。バカげてる、帰ってきて」と止められる。それでもハロルドは、「わかってくれ、やらねばならん」と静かに強く宣言するのだった。

 夜は安宿に泊まり、日中はトボトボとひたすら歩くハロルド。迷い込んだ庭で1杯の水をふるまってくれた婦人、驚くような相談を持ち掛けてきたカフェで相席となった紳士など、道中様々な人たちと触れ合いながら歩き続けるが、靴はボロボロになり脚も腫れ上がり、とうとう行き倒れてしまう。

 そんなハロルドを、偶然通りかかった医師の免許を持つマルティナ(モニカ・ゴスマン)が、自宅に連れ帰って介抱してくれる。スロバキアから移住してきたが、清掃の仕事しかないマルティナは初対面のハロルドの足を優しく拭いながら、パートナーに裏切られた過去を打ち明ける。ハロルドもまた、一人息子のデイヴィッド(アール・ケイヴ)を失望させてしまったと語り、その息子とクイーニーには、「こんな旅ではとても贖えないことをした」と悲しみに暮れた表情で嘆くのだった。

 一方、家で一人待つモーリーンの心配と怒りも限界に達していた。普段から何かと気にかけてくれる隣家のレックス(ジョセフ・マイデル)に、ハロルドが出て行ったことを告げる。さらに、この25年間仮面夫婦だったこと、数年前、クイーニーが会社を辞める前に家を訪れ、ハロルドに残していった伝言を伝えなかったことを打ち明ける。

 そんな中、ハロルドの旅路に大きな変化が起きる。カフェでハロルドと雑談した男が撮ったハロルドの写真と彼の徒歩の旅のエピソードが新聞の一面に掲載されたのだ。紙面を見た多くの人々がハロルドに声をかけ、食べ物を差し入れ、遂には一緒に歩き始める。その様子がテレビのニュースにもなり、いつの間にかハロルドの旅は大集団となっていた。

 だが、ハロルドにはわかっていた。この旅を独りで完遂しなければならないことを。ハロルドは決意も新たに、背中を押してくれたガソリンスタンドの女性に、なぜクイーニーを救わなければならないのか、本当の理由を書いた手紙を送る。それには、息子との過去が深く関わっていた──。

作品情報監督 へティ・マクドナルド
脚本・原作 レイチェル・ジョイス
プロデューサー ジュリエット・ダウリング、ケヴィン・ローダー、マリリン・ミルグロム
撮影監督 ケイト・マッカラ
編集 ナポレオン・ストラトジナキス、ジョン・ハリス
プロダクション・デザイン クリスティーナ・ムーア
衣装デザイン サラ・ブレンキンソップ
ヘア・メイク キャロル・クーパー
音楽 イラン・エシュケリ
劇中歌 サム・リー、ジェイムズ・キーイ
キャスティング エイミー・ボール
出演ジム・ブロードベント
ペネロープ・ウィルトン
アール・ケイヴ
リンダ・バセット
ジョセフ・マイデル
公式サイトhttps://movies.shochiku.co.jp/haroldfry/