上映期間|8月9日(金)〜8月21日(水)
【INTRODUCTION】
「第 24 回東京フィルメックス」特別招待作品(メイド・イン・ジャパン部門)に選ばれた、 演劇カンパニーがつくる初の映画作品
広島市内のアパートでパートナーと暮らしている女性が友人と川辺で定期的に会い、詩を共作していく姿を 描く三間旭浩の「しるしのない窓へ」(写真左上)。原爆投下時に爆心地から約 1km の場所で胎内被曝した女性 が、自身として、自身の母として、そしてある人生の語り手としてカメラに向かって語る山田咲の「ヒロエさ んと広島を上演する」(写真右上)。大切な存在を失ったばかりの女性が「喪失」と向き合いつつ日常生活を送る 様を描く草野なつかの「夢の涯てまで」(写真左下)。ある劇団が広島についての演劇作品のリハーサルを行う様 子と、そこに音響スタッフとして参加している⻘年が野外で音を採取する姿を追う遠藤幹大の「それがどこで あっても」(写真右下)の 4 編の短編から成る、被爆都市である広島をテーマにしたアンソロジー作品。
これまで「広島」「⻑崎」「福島」という未曾有の体験を経た都市の過去と現在を複眼的に捉え、演劇作品を 制作してきた演劇カンパニー「マレビトの会」が、演劇作品『⻑崎を上演する』(2013-16 年)、『福島を上演す る』(2016-18 年)に続く⻑期プロジェクト(「上演する」シリーズ)の一環として、新たに映画作品を制作。
監督は、これまで「マレビトの会」にプロジェクトメンバーとして劇作家や俳優の立場で参加してきた 4 人の 映画監督たち。それぞれが広島に赴いて取材を行い、多角的に広島の現在を切り取る。
”被爆都市”として語られる大文字の歴史ではなく、そこに住まう人々の、歴史から零れ落ちる日常の時間を描 くことで、広島の「いま」を捉え、核の脅威と映像の時代における「ドラマ」と「上演」の新たな可能性を探る。
作品情報 | 『広島を上演する』日本 / 2023 / 133 分 監督:三間旭浩、山田 咲、草野なつか、遠藤幹大 製作総指揮:松田正隆、製作:一般社団法人マレビト |
「しるしのない窓へ」 監督:三間旭浩 / 出演:林 ちゑ 寺田燿児 吉田 萌 | |
「ヒロエさんと広島を上演する」 監督:山田 咲 / 出演:川下ヒロエ | |
「夢の涯てまで」 監督:草野なつか / 出演:さいとうよしみ 倉谷 卓 住本尚子 | |
「それがどこであっても」 監督:遠藤幹大 / 出演:かのけん ⻄山真来 生実 慧 ほか | |
公式サイト | http://www.marebito.org/film/ |