上映期間|2月2日(金)〜2月14日(水)
【INTRODUCTION】
『鉄男』でのセンセーショナルな劇場デビュー以後、世界中に熱狂的ファンを持ち、多くのクリエイターに影響を与えてきた塚本晋也。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』、その流れを汲んだ本作の舞台は『野火』の直後、終戦後の闇市。戦争で奪われたものと、絶望と闇を抱えたまま混沌の中で生きる人々を、映画はしたたかに描き出す。
主演は、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロインに抜擢され、今最も活躍が期待されている俳優、趣里。孤独と喪失を纏いながらも戦争孤児との関係にほのかな光を見出す様を繊細かつ大胆に演じ、戦争に翻弄されたひとりの女を見事に表現した。片腕が動かない謎の男を演じるのは、映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者である森山未來。飄々としながらも奥底に蠢く怒りや悲しみを、唯一無二の存在感で示している。復員した若い兵士役にPFFグランプリ受賞作品『J005311』の監督でもある河野宏紀、戦争孤児を演じた塚尾桜雅は、一度見たら忘れられないその瞳で物語をより深く豊かに彩った。
人間の中に潜む暴力、分かち難く絡む死と生を描いてきた塚本晋也が今を生きる全ての者に問いかける祈りの物語。
【STORY】
火と、その揺れに合わせて姿を変える影。
その影の中に生きる人々を見つめ、耳をすます。
女は、 半焼けになった小さな居酒屋で1人暮らしている。体を売ることを斡旋され、戦争の絶望から抗うこともできずにその日を過ごしていた。空襲で家族をなくした子供がいる。 闇市で食べ物を盗んで暮らしていたが、ある日盗みに入った居酒屋の女を目にしてそこに入り浸るようになり…。
作品情報 | 監督/脚本/撮影/編集:塚本晋也 助監督:林啓史 音楽:石川忠 音響演出:北田雅也 製作:海獣シアター 配給:新日本映画社 2023年/日本/95分/ビスタ/5.1ch/カラー ©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER |
出演 | 趣里/塚尾桜雅 河野宏紀/利重剛 大森立嗣/森山未來 |
公式サイト | https://hokage-movie.com/ |