上映期間|11月1日(金)〜11月27日(水) の内6回上映
【INTRODUCTION】
ある古書店の予期せぬ閉店、そしてそれから——
35年間にわたって人々に愛されてきた、東京郊外の古書店「ポラン書房」。コロナ禍中の2021年、書店を経営する石田恭介と石田智世子は閉店を告知する。営業最終日に向けて、2人はこれまで通りの営業を続けながら、着々と準備を進める。そんな中、店員の南由紀は長年の夢を叶えるため、ある決断をする——。ポラン書房に生きる人々の閉店までの日常とその後の軌跡を静かに記録したドキュメンタリー。
【コメント】
■ 小森はるか(映像作家)
中村さんのカメラには無くなっていくものを写す節度がある。最後の最後に行き先のなくなった古本、壁、看板。そういうものたちを切り取る眼差しは、寂しさよりも、どこか還っていく先があると信じる人たちの想いを掬い取っている。「終わり」ではなく「巡り」の中にあるポラン書房がしっかりと残された。それは本当に絶やしてはならないものを気づかせてくれる。
■ 山本善行(古書善行堂店主)
街の灯りがひとつ消えていく寂しい様子を、私が古本屋だということもあり、自分の店の行く末も考えながら観ました。「探す楽しみ、出会う喜び」の場所をお客さんと共に作っていくポラン書房さんが、時計のネジを巻き、本を拭き、値段を付け、本を縛る、そんな毎日の繰り返しをいかに楽しんでおられたか、しみじみと伝わって来ました。
■ チョン・ジンス(全州国際映画祭プログラマー)
閉店セール、在庫の梱包、長年使われてきた本棚や什器の解体が、ゆったりとした息づかいで描かれていく。小さな店内をぎっしりと埋め尽くしていた本が消えていくさま、本棚がひとつひとつ取り壊されていく姿は、なぜこんなにもやるせないのだろうか。
作品情報 | 監督・撮影・編集:中村洸太 音楽:山﨑裕太 題字・ポスターデザイン:岩上涼花 ポスターイラスト:小黒典子 |
出演 | 石田恭介 石田智世子 南由紀 |
公式サイト | https://polanfilm.com/ |