『チーム・ジンバブエのソムリエたち』

上映期間|5月19日(金)〜5月23日(火)※5日間限定

ワインのない国からやってきた難民たちが、世界最高峰のブラインド・テイスティング大会に出場!?
チーム・ジンバブエのありえない挑戦を描く、ワイン版「クール・ランニング」

〈解説〉
“ワイン真空地帯”のジンバブエ共和国から、4人のソムリエが「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に初参戦する珍事が起きた。ジンバブエから南アフリカに逃れた難民かつ黒人の“チーム・ジンバブエ”を迎え撃つのは、“神の舌を持つ”23カ国の一流ソムリエたち。先進国の白人が多数を占めるスノッブな世界に、故郷ジンバブエの威信をかけて乗り込んだジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィン。クラウドファンディ ングの支援を受けてワインの聖地フランスのブルゴーニュにたどり着いたものの、限られた経費で雇ったコーチは久し振りの晴れ舞台で大暴走。浮き足立つ“チーム・ジンバブエ”の波乱に満ちたスリリングなワインバトルの結末はいかに!?

《director’s statement》
世界で最も有名なワインの権威のひとりであるジャンシス・ロビンソンが、ジンバブエ難民の4人が南アフリカのトップソムリエに急成長していると教えてくれた時、私たちは驚きと同時にそのストーリーに引き込まれました。その4年前に長編ドキュメンタリー映画『世界一美しいボルドーの秘密』を制作した私たちは、ワイン業界はヨーロッパ中心で、排他的で、圧倒的に白人が多いことを知っていましたから。
ジンバブエは、ワインの生産も消費もほとんどない国です。ロバート・ムガベの残忍な政権から逃れるまで、ワインを味わったこともなかった4人が、ケープタウンの4大レストランのヘッドソムリエになったのはなぜだったのでしょうか?
さらに驚いたのは、彼らがフランスで開催される世界ワインテイスティング選手権で、他の24カ国と競うために初の黒人チームを結成していたことでした。
彼らが最高峰の舞台で戦うには、何が必要なのか。どうして チャンスがあると信じられるだろうか?成功する確率は圧倒的に低い。ワインの世界は本気で相手にしてくれるだろうか?
私たちは、彼らの旅路と原動力をもっと知りたくなりました。そして、それは難民の暮らしや、彼らが新たな社会で直面する問題、そして生まれた国から追い出された人々にとって「家(ホーム)」とは何かということに光を当てる物語を作るチャンスでもあったのです。彼らのストーリーは、文化や人種の壁を取り除き、橋渡しをするための、より深い探求に繋がるのだと強く感じました。
彼らが南アフリカで認められ成功することが出来たのは、自分自身と家族のために、より良い暮らしを実現しようという、非常に強いポジティブ思考の賜物でしょう。
そして、彼らのジンバブエへの強い愛にも心動かされました。選手権出場を通して、母国ジンバブエの未知なる可能性を世界に示すことが出来たし、そしてこのスポットライトで、抑圧的な政権の下で生きてきたジンバブエの若者たちに勇気を与えたい、と彼らは強く願っていましたから。
この映画は単なる大会への挑戦だけでなく、希望と変革の物語なのです。

ワーウィック・ロス&ロバート・コー

作品情報監督・プロデューサー・脚本:ワーウィック・ロス、ロバート・コー
2021|オーストラリア|英語・ショナ語・仏語|96分|日本語字幕
出演ジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィン、ジャンシス・ロビンソン、ジャン・ヴァンサン“JV”、ドゥニ・ガレ
公式サイトhttps://team-sommelier.com/