
『ポスターは今も残っている』世界初上映
<上映会概要>
日時|2025年8月3日(日)開場12:45/本編12:50〜13:39
場所|豊岡劇場大ホール(豊岡市元町10-18)
作品|『ポスターは今も残っている』監督:曽馨瑩(ゾウ・シンエイ/MoMo)|台湾|2025年|劇映画 |49分
料金|一般1500円、シニア1300円、高校生以下1000円(その他割引適用なし)
同時開催
上映後30分ほど、曽馨瑩(ゾウ・シンエイ/MoMo)監督と豊岡劇場支配人田中亜衣子の対談を行います。ぜひ合わせてご参加ください。
あらすじ
台湾東部の山あいの小さな町、関山には「中華大映画館」と呼ばれる古い映画館があり、多くの人々の大切な思い出が詰まっていました。時代の流れとともに、その映画館は取り壊されることになりました。
台北から来た若者は、田舎で宿の管理人と地域の歴史ガイドをしています。ある日、彼は祖父の台北の百年の家と、この町の古い映画館が同じ時期に取り壊されることを知ります。
最初は無力さと無関心を感じ、自分には何もできないと思っていました。しかし、町の人たちが悲しみをユーモアに変え、創意工夫を凝らして思い出を守る姿を見て、次第に心を動かされます。
その強さと温かさに触れ、彼は映画館が完全に姿を消す前に、町の人々と共に最後の忘れられない思い出を作ることを決意しました。
これは記憶と別れ、守りと笑顔を描いた劇映画です。
取り壊された映画館の記憶を胸に、世界の遠く離れた場所に今も存在する古い映画館を守り続ける。
監督の言葉
この映画は、すでに取り壊された「中華大映画館」を舞台に、
関山の町民の記憶と、世界のどこかで今も営業を続ける老舗映画館を守ることを目的としています。
台湾・台東県関山にある「中華大映画館」は2025年4月に取り壊されました。
しかし、中華大映画館がもう存在しなくなったとしても、
かつて関山の中心として生活していた人々の思い出や笑顔、最後の時間は、
映画『ポスターは今も残っている』を通じて丁寧に保存され、観るたびに中華大映画館がまるで今も存在しているかのように感じられます。
私はこの作品が、豊岡劇場をはじめ、日本各地や世界各地に根付く老舗映画館を支え、
これらの老映画館がいつまでも人々に愛され、必要とされ、
存続し続け、映画上映を続けられることを願っています。
映画館の存在を通じて、民間の映画史が紡がれ、
人々と映画館が共に生活の記憶を創り続けることを願っています。
「すでに取り壊された映画館の物語を通して、
世界のどこかで今も営業を続ける老舗映画館を守る」
この映画の登場人物はすべて、関山の地元の人々によって演じられました。これこそが、私にとって最も感動的な部分でした。
新しい映画館とは異なり、古い映画館は地域の記憶や物語をより深く刻み込み、その時代の発展の姿だけでなく、人々が集まったときの感情や生活の様子を映し出します。特に地方では、映画館とその周囲の環境が、こうした現象をより鮮明に伝えてくれます。
この映画を通じて、世界中の遠隔地にある古い映画館が、さまざまな形で存続し、その命を延ばしていけるよう、多くの人々の意識が高まることを願っています。それはまた、長年にわたって育まれてきた感情が、これからも受け継がれていくことを意味します。

監督紹介
曽馨瑩(MoMo)は台湾出身のインディペンデント映画監督で、日常的で誠実な映像表現を通じて、消えゆく時代の記憶や感情を記録し守り続けています。彼女の作品は人々の記憶や感情、日常のひとときに焦点を当てています。MoMoは映画がただ鑑賞される娯楽であるだけでなく、地域で記憶を創造し守り、保存する手段であると信じています。彼女は台湾の金鐘奨ミニシリーズテレビ映画監督賞にノミネートされ、ドラマ映画やドキュメンタリーの両方で国際映画祭に何度も選出・受賞しています。長年にわたり台湾と日本の鳥取を行き来し、若桜鉄道の物語や鳥取の清水増夫氏の自主上映活動を追ったドキュメンタリーを撮影しています。「消えゆくものは映画を通じて永遠に残せる」という信念が、彼女の映画制作の核心です。