上映期間|9月27日(金)〜10月16日(水)
【INTRODUCTION】
スコセッシ、ポン・ジュノ、グレタ・ガーウィグら世界中の映画人が惚れ込んだ
アリーチェ・ロルヴァケル監督(『幸福なラザロ』)最新作
監督は、フェリーニ、ヴィスコンティなどの豊かなイタリア映画史の遺伝子を確かに受け継ぎながら、革新的な作品を発表し続けているアリーチェ・ロルヴァケル。カンヌ国際映画祭において『夏をゆく人々』(15)でグランプリ、『幸福なラザロ』(19)では脚本賞を受賞。マーティン・スコセッシ、ポン・ジュノ、ソフィア・コッポラ、グレタ・ガーウィグ、ギレルモ・デル・トロ、アルフォンソ・キュアロン、ケリー・ライカートらがファンを公言したり、製作のバックアップに名乗りをあげるなど、世界中の映画人がその唯一無二の才能に惚れこんでいる。
待望の新作『墓泥棒と失われた女神』は『パラサイト 半地下の家族』、『落下の解剖学』などのアカデミー賞® や世界三大映画祭受賞作を次々と世に送り出してきた気鋭のスタジオ・NEONが北米配給権を獲得したことでも話題に。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品、第95回ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画トップ5に選出され、各国の批評家からも絶賛の声が相次いでいる。
ギリシャ神話の悲劇のラブストーリーをモチーフにした
《幻想》を追い求める墓泥棒たちの数奇な物語
80年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う、考古学愛好家のアーサー。彼は紀元前に繁栄した古代エトルリア人の墓をなぜか発見できる特殊能力を持っている。墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々。ある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していく…。
夢、富、忘れられない愛する人――墓泥棒たちが追い求めるものは何なのか。古代文明の中心地であり、かつて墓泥棒が多発したイタリアならではの着想から生まれたこの物語は、人の果てなき探求を描く。
また、最愛の人の影を追うアーサーの姿は、亡くなった妻を生き返らせるために冥界に赴いたギリシャ神話「オルフェウスとエウリュディケ」の悲劇のラブストーリーを想起させる。今作はロルヴァケル監督作品のなかでも最も切なくロマンチックな物語だ。
生と死、空想と現実、神話と現代の境目を自由自在に飛翔するマジック・リアリズム。そして人間社会への深い洞察と軽やかな遊び心。ロルヴァケル監督が描く魔法に、映画の無限の可能性を感じずにはいられない。まるで美しいトスカーナの迷宮に踏み込んでいくかのような、めくるめく幻想譚を堪能あれ。
また、亡くなった人の魂を癒やすための埋葬品を盗み出す墓泥棒とそれを利用する闇のアート市場。『幸福なラザロ』でも描かれた、資本主義社会の略奪や搾取の構図も見え隠れする。その構造に絡めとられ、愛の幻想を彷徨う男が冒険の果てに見つけたもの。魂の自由を賛美する恍惚のラスト、あなたもきっと心を奪われるに違いない。
ジョシュ・オコナー(『チャレンジャーズ』)×イザベラ・ロッセリーニ(『ブルーベルベット』)ら豪華キャストの共演
『幸福なラザロ』に感銘を受けたオコナーが出演を熱烈オファー
どこか哀愁を帯びた佇まいが印象的な主人公アーサーを演じるのは、新世代の英国若手俳優を代表するひとりとしていま間違いなく名前が挙がるジョシュ・オコナー。主演映画『ゴッズ・オウン・カントリー』やチャールズ皇太子に扮したドラマ「ザ・クラウン」シリーズで高く評価され、今年日本公開の『チャレンジャーズ』ではゼンデイヤ演じる主人公らと三角関係になる役柄を演じ話題沸騰。『幸福なラザロ』を観て感銘を受けたオコナーがロルヴァケル監督作品への出演を熱望し手紙を送ったことが本作の主演を務めるきっかけとなった。アーサーの恋人の母フローラを演じるのは、『ブルーベルベット』で知られるイザベラ・ロッセリーニ。ロルヴァケル監督が敬愛する映画界の至宝ロベルト・ロッセリーニ監督の娘であり、俳優、モデルなど多岐に渡って活躍し続ける彼女のことを慕う監督の熱烈なオファーによって出演が叶った。また、監督の実姉であり、創作においても深い信頼を寄せあうアルバ・ロルヴァケルが『夏をゆく人々』『幸福なラザロ』に続いてスパルタコ役で出演。
撮影を務めるのは、これまでにも数多くのロルヴァケル監督作品を手がけてきたエレーヌ・ルヴァール。今作もデジタルではなく、35mm、16mm、スーパー16mmと複数のフィルムを交互に使い分けて撮影し、リアリズムとファンタジーの境目を鮮やかに映し出す。トスカーナの陽光に優しく包まれて、まるで白昼夢を漂っているかのような世界観を巧みに表現している。
【STORY】
墓泥棒が探すのは、お宝か愛か―。
80年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。考古学愛好家のイギリス人・アーサー(ジョシュ・オコナー)は、
紀元前に繁栄した古代エトルリア人の墓をなぜか発見できる特殊能力を持っている。
墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々。
そんなアーサーにはもうひとつ探しているものがある。それは行方知れずの恋人・ベニアミーナだ。
ベニアミーナの母フローラ(イザベラ・ロッセリーニ)もアーサーが彼女を見つけてくれることを期待している。
しかし彼女の失踪には何やら事情があるようだ…。
ある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していく…。
作品情報 | 監督・脚本:アリーチェ・ロルヴァケル(『幸福なラザロ』『夏をゆく人々』) 2023年/イタリア・フランス・スイス/カラー/DCP/5.1ch/アメリカンビスタ/131分/原題:La Chimera 後援:イタリア文化会館 配給:ビターズ・エンド |
出演 | 出演:ジョシュ・オコナー、イザベラ・ロッセリーニ、アルバ・ロルヴァケル、カロル・ドゥアルテ、ヴィンチェンツォ・ネモラート |
公式サイト | https://www.bitters.co.jp/hakadorobou/ |