『ケルト・ユートピア』字幕

上映期間|10月23日(金)〜11月4日(水) ※11月1日休映

【INTRODUCTION】
2025年ロカルノ国際映画祭批評家週間グランプリ受賞

アイルランドにはいつも音楽があふれている。街角に、パブに。荒涼とした海岸や丘陵にさえ。家族や仲間、見知らぬ人といる時も、そして一人の時も……。長きに渡るイギリスの支配に飢饉、北アイルランド紛争など、激動の歴史を生きてきたこの島の人びとは、ユーモアと皮肉まじりに、自由への抵抗や日々の悲哀を美しい旋律にのせて、はるか昔から歌いついできた。その土壌はU2、エンヤ、ザ・クランベリーズにシネイド・オコナー、近年でもホージアやフォンテインズD.C.など世界的なアーティストを生みだしている。

イギリスから部分的な独立を果たしてから100年あまり。国境が一つの島を北と南に分断し、今なお植民地時代の影が残るなか、アイルランドではフォーク・リバイバルと呼ばれる新たなムーブメントが起きている。担い手はアイリッシュ・フォークの伝統を受け継ぎながら、R&Bやヒップホップ、パンクなど多様なジャンルから影響を受けた新しい世代のミュージシャンたち。宗教や信条はそれぞれに違えども、彼らはみな等身大の感覚で祖国の文化や言語に向き合い、社会の矛盾を鋭く見抜きながら、まっすぐに未来への希望を歌う。

『ケルト・ユートピア』はアイルランドの現在を、活気づくフォーク・リバイバルのミュージシャンの視点から捉えたドキュメンタリー。人びとの心に響く豊かな音楽に、ポストコロニアル時代のアーカイブ映像を交え、歴史の傷跡に対峙するアイルランドの現在を浮かび上がらせる。

過去の抑圧と明るい未来への夢が自由に歌われる島。ここは音楽のユートピアだ。

デニス・ハーヴェイ監督&ラース・ローヴェン監督からのメッセージ

受け継いだ暴力の歴史に対して、自分たちは何をすべきか? 抑圧的な文化をそのまま受け入れるのか、自分たちの理想の形に変えていくのか? そんな問いを胸に抱きながら、私たちは4年以上にわたってアイルランド全土をくまなく旅をし、音楽を通じてその課題に向き合う素晴らしいミュージシャンたちのもとを訪れた。抑圧や占領、そして戦争が当たり前に起こるこの世の中で、『ケルト・ユートピア』は別次元の周波数で音楽を奏でる。そこは希望が生まれ、明るい未来が実現するかもしれない世界だ。

作品情報監督: デニス・ハーヴェイ、ラース・ローヴェン
プロデューサー: エリン・リレマン・エリクソン

2025年/90分/スウェーデン、アイルランド/アイルランド語、英語
原題: Útóipe Cheilteach 英題: Celtic Utopia
配給:ユーロスペース
出演ザ・マリー・ワロパーズ、ランクム、ザ・デッドリアンズ 他
公式サイトhttps://celtutopia.com/