上映期間|11月6日(金)〜11月11日(水) ※6日間限定



【INTRODUCTION】
“実際に起きた殺人事件”というフィクションを題材に、虚構が現実を、妄想が真実を飲み込んでいく、その戦慄と興奮を毒気混じりのユーモアで描き出した、世にも不気味な物語。
監督は「PFFアワード2017」「第11回田辺・弁慶映画祭」などで様々な賞を受賞した武井佑吏。期待の大型新人が本作で商業映画デビューを飾る。
キャストには、新人監督の作品でありながら、独創的な脚本に魅了された豪華俳優陣が集まった。
物語は、世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年経った「今」から始まる。事件を元にした禁断の舞台が作られることになり、夛田(ただ/水上恒司)が主演を射止める。
だが夛田のもつ執着、執念が相手役となった米良(めら/黒木華)、舞台の脚本家・垣内(かきうち/小池栄子)、舞台演出家の加藤(かとう/佐々木蔵之介)らを次第に掌握していく。
たったひとりの男が、全てを牛耳り、人間を動かし破壊する、
戦慄と興奮の絶頂をぜひ、ご堪能ください。
【STORY】
狂気と正気は紙一重。
“正義“という化けの皮を剥がれた人間の姿ー
今から数十年前に起きた衝撃的な事件。夫を殺害し、戸籍を引き継いだ男と夫婦生活を送る女が、新しい男と結ばれるためさらに殺人を繰り返した〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉は、世間を震撼させた――。
そんな実話にもとづく舞台劇の制作が決まり、殺害される主人公役に抜擢されたのは、演技経験のない夛田だった。しかし役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、やがて虚構と現実の境界を見失い、ついに演じる人物と一体化してしまう。そして夛田の妄想は、舞台の関係者たちを巻き込み、すべてをぶち壊しにする。
「おかしいのはお前たちだ! 僕は本当のことを言っているだけだ!」
舞台の本番が間近に迫る中、夛田は制御不能に陥り、物語は予期せぬラストへ。何が本当で、何が嘘なのか? 虚実が混ざり合う、恐ろしくも滑稽な舞台の幕が、今切って落とされる。
PROJECT INTENT
例えばそれが、実際にあった事件だとしても、「本当のこと」は他人にはおろか、当人にだって決して掴めはしない。いかに科学的であったとしても、である。
誰か一人が信じていることは、初めは妄想や陰謀論として扱われる。しかし、それが他者に共有され、支持され、語り継がれていくことで、いつしか「本当らしいこと」へと変容していく。政治でも、戦争でも、ワクチンでも、夫婦のいざこざでも、私たちは常に無数の情報の中から、自分が納得できるものを選び、それを現実として生きている。
そこには必ず、「本当らしいこと」が形成されていく過程がある。虚構が現実を飲み込んでいく瞬間がある。
この映画では、そんな瞬間を捉えたい。
夛田という男は、終始わけの分からないことを言い続ける。自分の信じた言説に取り憑かれ、周囲からどれだけ理解されなくても、それを手放さない。客観的に見れば、彼は暴走し、やがて破綻していく人間なのかもしれない。
しかし、それだけなのだろうか。
あらゆる情報が交錯する世界の中で、人はその一握りを選び取る。自分の生活の貧しさや豊かさ、これまで受けてきた傷や喜びと照らし合わせながら、「これは本当だ」と信じる。そして一度信じたものを、最後まで信じ抜こうとする。
私は、何かに取り憑かれて走り続ける人間に、ある種の美しさを感じる。
それは、その人間の信じている内容が正しいからではない。誰かの自由意志が、矛盾も破綻も抱えたまま、それでも最後まで貫徹されようとするからだ。
そんな盲信を突き詰めた姿は、私には「祈り」のように見える。
この映画では、夛田という一人の男の「妄想」が、舞台の上で語られ、演じられ、観客に目撃される。その瞬間、それまで彼一人の頭の中にしか存在しなかったものが、他人と共有されるひとつの現実になる。
本当のことなど、最後まで分からない。
それでも人は、自分が信じたものを本当にしようとする。
そんな夛田の「祈り」を映画にしたい。
| 作品情報 | 原作:鴻池留衣『本当にあった話(の話)』(「フェミニストのままじゃいられない」より改題・文藝春秋刊) 監督・脚本・編集:武井佑吏 プロデューサー:杉田浩光 主題歌:Maika Loubté 配給:東京テアトル、murmur 制作:テレビマンユニオン |
| 出演 | 夛田(ただ)役:水上恒司 米良(めら)役:黒木華 アリサ役:山下美月 垣内(かきうち)役:小池栄子 加藤(かとう)役:佐々木蔵之介 西館役:大東駿介 |
| 公式サイト | https://www.honbana.com/ |