ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう

上映期間|10月24日(金)〜11月5日(水) 

「私は、執念深い」

 監督である私、平良いずみのそんな変な告白から始まる映画になりました。映画をご覧になるみなさんが凍りついてしまわないか今から気が気でならないですが、笑ってもらえたら嬉しいです。

 この作品は、執念深い私が四半世紀勤めたテレビ局を辞めてまで追ってきた“PFAS汚染”についての記録。起点となったのは9年前、沖縄県民45万人が飲んできた水道水にPFAS・有機フッ素化合物が含まれていた事。生まれたばかりの息子に水道水でつくったミルクを与えていた私は、こう思ったのです――「絶対、許さない」。改めて書いてみると…、怖いですね。

 でも、問題に食らいつき気付いた時には、世界の至る所で汚染問題の解決を求め立ち上がった女性たちに出会い、言葉の壁を越え想いが通じ合う瞬間を何度も経験しました。汚染問題に直面した彼女たちはどう生きたか…、映画では透明な闇の先にある明るいひとつの光を描いたつもりです。

この夏、ぜひご覧ください。

監督・平良いずみ

【INTRODUCTION】

すべては2016年に沖縄県が開いた会見から始まった。「県民45万人に供給する水道の水に化学物質PFASが含まれていた」ー  との発表を受けて、 多くの人々の反応は「PFASって何?」というもの。 すぐに関心が高まったわけではなかった。 やがて立ち上がる女性たちも当初は他人事だった。しかし、米国ではすでに、がん、低体重出生など‥健康影響が確認されていた。その深刻さに女性たちは気づいていく。「他のお母さんたちにも知らせなきゃ」と、彼女たちは街頭で涙ながらに訴え、調査や浄化を求める。しかし、沖縄では汚染発覚から9年経ってなお、汚染源の特定すら出来ない。なぜか!?汚染源とみられる基地への立ち入り調査を米軍が拒み続けるから。それでも、子どもたちのために諦めるわけにはいかないと徒手空拳の闘いを続ける女性たちは国連を目指す。一方、米国や欧州ではPFASの毒性を重くみて規制の波が押し寄せる。その波を起こしたのは女性たちだった。こうした国の人々は、彼女たちの声に耳を傾け、現実を変えてきた。日本人は何をしてきたか?

<PFASとは>

有機フッ素化合物の総称。 水や油をはじく特性をいかし焦げ付かないフライパンや防水スプレー、 半導体、 泡消火剤などあらゆる生活用品に使われてきた。 PFASの中でもPFOSやPFOAなどは、 発がん性など人体への有害性が指摘され、 世界では毒性を重く見て規制が進む。

作品情報監督=平良いずみ
プロデューサー=山里孫存 千葉聡史
音楽=半野喜弘 撮影=大城学 赤嶺信悟 編集=田邊志麻 山里孫存 構成=渡邊修一
製作=GODOM沖縄  製作協力・配給=太秦
文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画製作支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
【2025 年/日本/ 16:9 / 106 分】©2025 GODOM 沖縄
公式サイトhttps://unai-pfas.jp/